今日は英作文を書く上でのポイントをお話したいと思います。

 

学習法のひとつとして、

英作文のテキストや問題集に付属の暗唱例文を丸暗記する、というのがあります。

 

 

英文を暗唱する、というのは確かに大きな効果があると思います。

英文の意味、発音、抑揚、リズム、語順、さまざまな要素がしっかりと、

身体感覚として身につきます。

 

これは、英語のスピーチや暗唱コンクールを経験された方なら分かると思いますが、

「英語を話す力」「聞く力」は飛躍的に伸びるはずです。

 

ただ、英文を(しかも何百も)まるまる覚えて話せるようになるには、

長時間のトレーニングが必要です。

ほかの教科の勉強、部活動など、ただでさえ毎日忙しい高校生の皆さんにとっては、

かなりの負担になるでしょう。

 

そして、ここから本題なのですが、

 

「英文を暗唱する」というトレーニングは、「話す力」「聞く力」を伸ばすことはできますが、

大学入試で必要とされるレベルの英作文、つまり【日本語→英語への翻訳能力アップ】

には、あまり効果があるとは考えていません。

 

 

当塾では、英作文を書く際のコツを授業でくわしくお話しするのですが、

簡単にポイントをまとめると以下のとおりです。

 

【ポイント】

1.日本語を何度もしっかり読んで、何が言いたいのか、細かいニュアンスをしっかり把握する。

 

2.日本語の表現にとらわれないで、

「だれが(主語)」+ 「どうする(動詞)」+ 「なにを(目的語)」

というエッセンスをつかむ。

3.上記2はいわゆる第3文型(SVO)です。

英文(話し言葉も書き言葉も)は、SVOの第3文型で成り立つものが非常に多いです。

そして、日本人(日本語)の思考形式とも合っている点が多いように思います。

 

4.つまり、出題された日本語を「書きやすく、シンプルな日本語」にいったん置き換える作業をします。

英語で表現する際、難しい単語や動詞を使うのをなるべく避けたほうがいいでしょう。

動詞の語法を間違えたり、ニュアンスがまったくずれてしまったり、

と本番で大きな減点になるリスクが大きいです。

 

 

5.もちろん、上記のやり方が万能なわけではありません。

ただ、英作文のテキストに載っている暗証例文のなかには、

主語がモノや事柄で始まる文(物主構文)や、受身の文体が数多くみられます。

これらの文体は、動詞の語法(後に続く文の表現形式・ルール)を大きく間違えるリスクが高いのです。

実際に書いてみると、皆さんもその難しさを実感すると思います。

 

 

大学入試の際、

【致命的なミス(文の基本的な語順が崩れている)をしないこと】

に細心の注意を払っていれば、十分合格ラインの答案が書けるはずです。

 

違う見方をすれば、「完璧主義に陥らない」ことが重要です。

なにも翻訳家としての能力を問われているわけではありませんので、

皆さんが知っている文法知識、単語力で十分に立派な答案が書けるはずです。

 

 

と、ここまでダイジェストでお話しましたが、

(ブログでは)お伝えしたいことをわずかしか説明できていない点はご了承ください。

 

塾生たちには、

合格ラインの英作文を書くためのポイントを授業で話したあと、

課題を毎週提出してもらい、ひとつづつ、みんなが書いた内容に沿って添削指導しております。

 

意欲的に取り組んでいる生徒たちは、

最初はおそるおそる書いていた英作文ですが、どんどん磨きがかかっています。

「こんな表現方法があったのか!」とむしろ私のほうが感動することもよくあります。

 

 

今は、インターネットを通じてグローバルに「書く力」を活用する場面が増えています。

 

入試のみならず、将来役に立つスキルを皆さんにつけてもらえたらと願いつつ、

日々英作文指導をしています。

 

 

 

 

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